○下北地域広域行政事務組合予防査察規程
平成30年3月20日訓令甲第1号
下北地域広域行政事務組合予防査察規程
下北地域広域行政事務組合予防査察規程(平成元年下北地域広域行政事務組合訓令甲第18号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条~第2条)
第2章 査察(第3条~第22条)
第3章 資料の収集等(第23条~第26条)
第4章 雑則(第27条~第30条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)に定める立入検査等について、必要な事項を定めるものとする。
(用語の意義)
(1) 査察 立入検査、違反処理及び火災予防のための措置を含む行政作用をいう。
(2) 査察員 査察業務に従事する消防吏員をいう。
(3) 高圧ガス関係施設 法第9条の3の規定に基づく届出に係る貯蔵又は取扱いを行う施設(危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号。以下「危政令」という。)第1条の10第2項の規定に基づき消防庁長官又は消防長に通報があった液化石油ガスを貯蔵し、又は取り扱う場所を含む。)をいう。
(4) 危険物製造所等 法第10条第1項に定める危険物の製造所、貯蔵所及び取扱所(仮に貯蔵し、又は取り扱う場所を含む。)をいう。
(5) 少量危険物貯蔵取扱所 危政令別表第3に定める指定数量の5分の1以上指定数量未満の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場所をいう。
(6) 指定可燃物貯蔵取扱所 条例別表第8に定める数量以上の指定可燃物を貯蔵し、又は取り扱う場所をいう。
(7) 査察対象物 消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)別表第1に掲げる防火対象物、危険物製造所等及びその他の消防対象物をいう。
(8) 重大違反対象物 前号に定める査察対象物のうち、火災が発生したならば、特に人命に危険があると認める違反の存するもの又は消防用設備等、特殊消防用設備等の未設置及び避難施設若しくは防火設備に重大な不備欠陥の存するものをいう。
(9) 小隊査察 タンク車又はポンプ車等の消防隊をもって行う査察をいう。
第2章 査察
(査察の定義)
第3条 この規程において査察とは、査察対象物に立ち入り、その位置、構造、設備、管理の状況等を検査し、関係者に質問し、当該査察対象物の不備欠陥事項について火災予防上必要な措置及び指導を行うこと、並びに査察対象物に関係のある道路、地形、消防水利等について調査し、関係者に対して火災予防上必要な措置及び指導を行うことをいう。
(査察の主眼)
第4条 査察は、法及び条例に基づき、出火危険や人命危険を事前に排除し、地域住民の生命、身体、財産を火災その他の災害(以下「火災等」という。)から保護することを目的として実施するものとする。
2 査察は、査察対象物の位置、構造、設備及び管理の状況について、個別的かつ具体的に火災等の予防上の安全性について検査し、併せて火災等の人命の安全確保を主眼として行うものとする。
3 査察は、公正、公平かつ効率的に実施するものとする。
(査察の実施)
第5条 消防署長(以下「署長」という。)は、この規程の定めるところにより管轄区域内の査察対象物について、査察を実施しなければならない。
2 消防長は、必要があると認めるときは、前項の査察の支援を行うものとする。
3 査察は、原則査察員2人が1組として実施するものとする。ただし、査察対象物の状況、規模又は査察の種類により人数を増減することができる。
4 査察は、消防士長以上の階級となる者が1人以上随行するものとする。ただし、重大な違反事項があると認める場合には消防司令補以上とする。
(査察対象物の区分及び査察の回数)
第6条 査察対象物の区分及び査察の回数は、別表に定めるとおりとする。
(査察員の指定)
第7条 消防長又は署長(以下「消防長等」という。)は、次の各号に定める査察対象物の区分に応じ、査察員を指定するものとする。
(1) 以下に掲げる査察対象物 予防係員
ア 重大違反対象物に該当するもの
イ その他消防長等が認めるもの
(2) 前号に掲げる査察対象物以外のもの 警防隊員
(消防本部職員の派遣)
第8条 署長は、査察の実施にあたり必要があると認めるときは、消防長に消防本部職員の派遣を要請することができる。
2 消防長は、前項の要請があった場合は、その状況に応じた査察員を派遣するものとする。
3 前項において消防長は、特に必要があると認めるときは、他の管轄する署長に査察員の派遣を指示することができる。
(査察の種類)
第9条 査察の種類は、次に掲げるものとする。
(1) 定期査察 年度査察計画に基づき実施するもの
(2) 特別査察 消防長等が必要と認める場合に実施するもの
(小隊査察)
第10条 小隊査察は、業務出動のうち事業所等における訓練指導、査察や消防検査等の機会をとらえて効率的に実施するものとする。
(査察の実施計画)
第11条 署長は、年度査察計画について、毎年3月15日までに防火対象物査察計画書(様式第1号)及び危険物施設査察計画書(様式第2号)を作成し、消防長に提出しなければならない。
2 消防長は、毎年4月5日までに当該年度の査察方針を定めるものとする。
(査察対象物の継続指導)
第12条 署長は、査察の結果、重大な不備又は欠陥が認められるものについては、当該不備事項又は欠陥が是正されるまでの間、継続して査察し、指導を行わなければならない。
(査察事項)
第13条 査察は、火災予防及び人命の安全を主とし、査察対象物の状況に応じ、おおむね次の各号に掲げる事項に関し、その位置、構造、設備及び管理の状況等について行うものとする。
(1) 建築物その他の工作物、車両及び埠頭に繋留された船舶
(2) 火気使用設備及び器具
(3) 電気設備及び器具
(4) 消防用設備等及び消火活動上必要な設備
(5) 危険物、少量危険物、指定可燃物、危政令別表第1及び第2に定める物質
(6) 高圧ガス関係施設及び火薬類関係施設
(7) 放射性物質等関係施設、有毒物質及び有害ガス関係施設
(8) 防炎物品の状況
(9) 防火・防災管理に係る消防計画及び予防規程並びに消防訓練の実施状況
(10) 防火・防災管理者、危険物保安監督者等の業務遂行状況
(11) その他火災予防上必要と認められる事項
(査察執行上の心得)
第14条 査察員は、査察の実施に当たって、法第4条又は法第16条の5の規定に定めるもののほか、次に掲げる事項を守らなければならない。
(1) 関係者に対し礼儀正しく丁寧に、かつ、毅然とした態度を保つこと。
(2) 関係者に、必要に応じて事前に来意を告げ、立会いのもとに行うとともに、必要に応じ、当該査察対象物の防火管理者又は危険物取扱者を立ち会わせること。
(3) 正当な理由がなく査察を拒み、妨げ、又は忌避する者があった場合は、査察の要旨を説示し、なお応じないときはその事実を記録し、上司に報告した上で当該記録を保管すること。
(4) 査察を終了したときは、その結果及び改善を要する事項を関係者に具体的に説明し指導すること。
(5) 常に関係法令を遵守し、査察に必要な知識の習得及び査察能力の向上に努めること。
(6) 消防用設備等その他関係事項について、質問又は相談を受けたときは、適切に指導を行うこと。
(7) 服装は、消防長等の指示のある場合を除き、制服とし、端正であること。
(8) 関係者の民事的紛争に関与しないこと。
(事前通告)
第15条 消防長等は、査察のため事前通告を必要と認めるときは、口頭によるもののほか、必要に応じ立入検査通告書(様式第3号)により行うものとする。
2 関係者が正当な理由がなく査察を拒み、妨げ又は忌避した場合には、必要に応じ通告書(様式第4号又は様式第5号)により行うものとする。
(執行状況の報告)
第16条 署長は、査察の執行状況について、防火対象物等査察実施状況報告書(様式第6号)及び危険物施設査察実施状況報告書(様式第7号)を作成し、翌月の5日までに消防長に報告しなければならない。
(防火対象物等の台帳)
第17条 署長は、法第8条又は法第17条に該当する防火対象物(令別表第1(19)項及び(20)項の防火対象物を除く。)について、防火対象物台帳(様式第8号)及び防火対象物査察台帳(様式第9号)を棟ごとに作成し、保管するものとする。
2 前項に規定する台帳の他に設備対象物台帳(様式第10号)及び必要に応じ防火/防災対象物点検報告・特例認定経過簿(様式第11号)を作成し保管するものとする。
3 署長は、第1項及び前項に規定する台帳の記載内容に変更があったときは、その都度修正する等適切な維持管理をしなければならない。
4 消防長等は、法第11条の規定による設置の許可(移動タンク貯蔵所の位置の変更を許可したときを含む。)をした製造所等の施設ごとに危険物施設台帳(様式第12号)及び危険物施設査察台帳(様式第13号)を2部作成し、消防本部予防課及び管轄署所でそれぞれ1部ずつを保管するものとする。
5 消防長等は、査察を行い、届出等を受理したときは、第1項又は第2項に規定する台帳を速やかに修正し、査察業務のほか消防活動等に活用できるよう配慮するものとする。
6 その他の記録表は別に定める。
(査察結果通知書)
第18条 査察員は、査察の結果、法令に違反しているもの又は火災予防上若しくは人命の安全上改善の必要があると認められるときは、関係者に対し、当該査察の結果を記載した査察結果通知書(様式第14号)を交付し、及び保管しておくものとする。ただし、軽微な不備事項については、口頭により指示し、指示を行った相手方の氏名等を防火対象物査察台帳及び危険物施設査察台帳に記入するものとする。
2 前項に規定する査察結果通知書は、必要と認められる場合には、別に定める様式により交付することができる。
(勧告書)
第19条 署長は、前条の不備又は欠陥が改善されない場合又は火災予防上若しくは防火上必要があると認める場合は、関係者に勧告書(様式第15号)を交付するものとする。
2 前項の勧告書を交付したときは、その経過状況を確認するとともに、勧告事項が改善されるよう指導しなければならない。
(査察結果の記録)
第20条 査察員は、査察結果の記録を査察終了の都度、査察等経過表(様式第16号)に記録しておくものとする。
(改修(計画)報告書の提出)
第21条 第18条及び第19条に規定する査察結果通知書又は勧告書を交付したときは、提出期限を定めて、関係者に改修(計画)報告書(様式第17号。以下「報告書」という。)の提出を求め、関係者に次の各号に規定する事項について報告させるものとする。ただし、口頭による是正指導により、直ちに法令違反が是正され、又は火災危険等が排除された場合には、この限りでない。
(1) 改修に一定の期間を要するものについては、具体的な改修計画
(2) 改修が完了したものについては、改修完了年月日
2 前項に規定する報告書の提出期限は原則として、交付した日の翌日から起算しておおむね14日以内とする。
3 報告書が前項に定める期限内に提出されない場合は、関係者に対して督促するものとする。
(違反処理の移行)
第22条 消防長等は、第19条の勧告を行っても報告書が提出されないとき、又は報告書が適当でないと認めるときは、違反処理規程に定めるところにより速やかに処理しなければならない。
第3章 資料の収集等
(資料の提出)
第23条 消防長等は、火災予防のため、必要と認められる資料(査察対象物の実態を把握するために必要な既存の文書その他の物件をいう。以下同じ。)について、関係者等に対し口頭により提出を求めることができる。
2 消防長等は、関係者等が前項の提出に応じないときは、資料提出命令書(様式第18号)により行うものとする。
3 消防長等は、関係者等から資料提出書(様式第19号)により資料の提出があった場合は、関係者等に対し必要に応じて提出資料保管書(様式第20号)を交付するものとする。
4 消防長等は、関係者等から前項の資料提出書により当該資料の所有権を放棄する旨の意思表示があった場合には、必要に応じて提出資料処分願(様式第21号)を交付し、署名押印を求めるものとする。
(資料の保管)
第24条 消防長等は、資料の提出があった場合は、提出資料処理簿(様式第22号)に記載してその経過を明らかにし、紛失又は損傷しないように保管しておかなければならない。
(資料の返還)
第25条 消防長等は、提出資料保管書を交付した資料で保管の必要がなくなったときは、提出資料保管書を引換えに資料を返還しなければならない。
2 消防長等は、前項の規定により資料を返還するときは提出者から資料返還受領書(様式第23号)を徴しなければならない。
(報告の徴収)
第26条 消防長等は、資料以外のもので火災予防上確認の必要があると認められる事項については、関係者に対し、任意の報告を求めるものとする。
2 消防長等は、前項の報告に応じないときは、報告徴収書(様式第24号)により報告させるものとする。
第4章 雑則
(受領書)
第27条 第23条に定める資料提出命令書及び第26条に定める報告徴収書を交付するときは、当該関係者又はその代理人に直接交付し、受領書(様式第25号)に署名押印を求めるものとする。ただし、特にやむを得ない事由がある場合は、内容証明の取扱いにより郵送することができる。
(指導の効率化)
第28条 消防長等は、この規程に基づく査察によるほか、効率的に火災予防を推進するため、査察対象物の関係者に対し、防火管理の状況、消防用設備等又は特殊消防用設備等の維持管理その他の状況について照会を行うこと等により、査察対象物の管理実態を把握し、火災予防上必要な指導を行うことができる。
(一般住宅査察等の実施)
第29条 署長は、火災予防上必要があるときには一般住宅査察及びひとり暮らし高齢者宅等の住宅査察を行い、火災予防に努めなければならない。
2 前項に規定する調査様式は、別に定めるものとする。
(その他)
第30条 この規程の施行について必要な事項は、別に定める。
附 則
この訓令は、平成30年4月1日から施行する。
附 則(令和元年12月25日訓令甲第14号)
この訓令は、公表の日から施行し、令和元年7月1日から適用する。
別表(第6条関係)

区分

内容

査察回数

第1種

(1) 法第8条の2の2の適用を受けるもの

(2) 法第36条の適用を受けるもの

(3) 令第21条第1項第7号の適用を受けるもの

(4) 令第35条第1項第1号、第2号及び第4号に掲げる防火対象物。ただし、第2号は300㎡未満含む。

(5) 地下タンク貯蔵所及び給油取扱所

(6) 前各号に掲げるもののほか、消防長が認めるもの

1年に1回以上

第2種

(1) 令第35条第1項第3号に掲げる防火対象物

(2) 地下タンク貯蔵所及び給油取扱所以外の危険物製造所等

2年に1回以上

第3種

第1種、第2種及び第4種以外の防火対象物

3年に1回以上

第4種

(1) 令別表第1 (19)項及び(20)項に掲げる防火対象物

(2) 一般住宅

(3) その他の防火対象物又は消防対象物

適宜

様式第1号(第11条関係)
様式第2号(第11条関係)
様式第3号(第15条関係)
様式第4号(第15条関係)
様式第5号(第15条関係)
様式第6号(第16条関係)
様式第7号(第16条関係)
様式第8号(第17条関係)









様式第9号(第17条関係)

様式第10号(第17条関係)
様式第11号(第17条関係)
様式第12号(第17条関係)








様式第13号(第17条関係)

様式第14号(第18条関係)


様式第15号(第19条関係)
様式第16号(第20条関係)
様式第17号(第21条関係)

様式第18号(第23条関係)

様式第19号(第23条関係)
様式第20号(第23条関係)
様式第21号(第23条関係)
様式第22号(第24条関係)
様式第23号(第25条関係)
様式第24号(第26条関係)

様式第25号(第27条関係)