○下北地域広域行政事務組合火災調査規程
平成8年3月29日訓令甲第1号
下北地域広域行政事務組合火災調査規程
目次
第1章 総則(第1条~第6条)
第2章 調査の実施
第1節 通則(第7条~第11条)
第2節 火災原因調査(第12条~第27条)
第3節 火災損害調査(第28条~第32条)
第3章 報告等(第33条・第34条)
第4章 雑則(第35条~第37条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号)第7章の規定に基づく火災の調査(以下「調査」という。)について必要な事項を定めるものとする。
(調査の目的)
第2条 本調査は、火災の原因及び火災により受けた損害を明らかにして火災予防対策及び警防対策に必要な基礎資料を得ることを目的とする。
(調査の主体)
第3条 消防署長(以下「署長」という。)は、管内に火災が発生した場合は、調査に従事する消防職員(以下「調査員」という。)を火災現場(以下「現場」という。)に出向させて調査しなければならない。
2 1件の火災について、その焼損範囲が2以上の消防署の管轄区域にまたがる場合の調査は、当該火災の発生場所を管轄する署長が担当し、延焼範囲を管轄する署長は、これに協力するものとする。
(調査員の派遣要請)
第4条 署長は、火災の規模及び特殊異例等の火災又は調査上必要と認める場合は、消防長に対し消防本部の調査員の派遣を要請することができる。
2 消防長は、前項の要請があった場合又は特に調査の必要があると認める場合は、消防本部の調査員を派遣するものとする。
(調査の原則)
第5条 調査は、常に事実の確認を主眼とし、先入観念にとらわれることなく、科学的な方法と合理的な判断によって事実の立証に努めなければならない。
(調査員の心得)
第6条 調査員は、常に関係法令及び調査実務並びに社会の動向に留意し、調査能力の向上に努めなければならない。
2 調査員は、民事的紛争に関与してはならない。
第2章 調査の実施
第1節 通則
(調査の区分)
第7条 調査は、火災原因調査及び火災損害調査とする。
2 火災原因調査は、次の各号に掲げる事項について当該各号に掲げる事項又は内容を明らかにするため行うものとする。
(1) 出火原因 火災発生経過及び出火箇所
(2) 延焼経路 火災の延焼経路及び延焼拡大した素因
(3) 避難状況 現場における避難者、要救助者の行動及び救助の状況並びに死傷者の状況
(4) 消防用設備等の活用状況 消火設備、警報設備、避難設備及び消火活動上必要な施設の使用状況及び作動等の状況
3 火災損害調査は、次の各号に掲げる事項について当該各号に掲げる内容を明らかにするため行うものとする。
(1) 焼き損害 焼け、熱による破損等の損害
(2) 消火損害 消火のため受けた水損、破損及び汚損等の損害
(3) 爆発損害 爆発現象の破壊作用による損害
(4) その他の損害 煙害、搬出等に伴う損害
(5) 死傷者 火災並びに消火活動、避難行動、その他の行動及び爆発により死亡又は負傷した者
(調査の協力)
第8条 火災に出場した消防職員は、調査員と連絡協調を図り、調査に協力するものとする。
2 調査員は、調査の指揮に当たる監督者の指示に従うとともに、必要がある場合は、進んで意見を述べるようにしなければならない。
3 調査員は、常に相互間の連絡協調を図り、調査能率の向上に努めるとともに、調査の正確を期さなければならない。
(警察機関等との協力)
第9条 調査員は、警察機関及びその他の関係機関と緊密な連絡を保ち、相互に協力して調査に当たるよう努めなければならない。
(調査の記録)
第10条 調査員は、調査の結果及びその他の参考事項等を記録しておかなければならない。
(照会)
第11条 消防長又は署長(以下「消防長等」という。)は、官公署に対し調査に関する事項を照会する場合は、火災調査関係事項照会書(様式第1号)により行うものとする。
第2節 火災原因調査
(火災出場時の見分)
第12条 火災に出場した消防職員は、出場途上及び警防活動等を通じて火災の状況の見分に努めなければならない。
(火災出場時における見分調書の作成)
第13条 現場に先着した消防隊の現場指揮者は、前条の見分状況について火災出場時における見分調書(様式第2号)を作成しなければならない。
(現場の保存)
第14条 消防隊の現場指揮者は、消火活動をするに当たって、物を移動し又は破壊する場合は努めて原状がわかるように処置するとともに、事後の調査に支障をきたさないように必要な措置を講じて現場の保存に努めなければならない。
(実況見分)
第15条 調査員は、関係者等の立会いを得て、火災現場その他関係のある場所及び物件について詳細に実況見分を行い調査資料の発見入手に努めなければならない。ただし、少年(18歳未満の者をいう。以下同じ。)は、立会人としてはならない。
(実況見分調書の作成)
第16条 調査員は、前条の見分状況について、実況見分調書(様式第3号)を作成しなければならない。
2 実況見分調書には、調査内容を明らかにするため必要な写真及び図面を作成し、写真は写真貼付用紙(様式第4号)に貼付しておかなければならない。
3 前項の写真の陰画は、陰画保存ばさみ(様式第5号)により保存しておくものとする。
(質問の原則)
第17条 調査員は、関係者等に対して調査上必要な事項を質問して、火災状況の把握に努めなければならない。
2 関係者等に質問を行うに当たっては、強要的な手段を避け、その場所及び時間等を考慮して被質問者の任意の供述を得るように努めなければならない。
3 質問は、関係者等が直接経験した事実の供述を得るように努めなければならない。
4 被質問者の伝聞にわたる供述で調査上必要と認めるものは、その事実を直接経験した者に質問して供述を得るようにしなければならない。
(少年等に対する質問)
第18条 少年又は精神異常者と認められる者若しくはろうあ者(以下「少年等」という。)に対して質問する場合は、立会人をおいて行うものとする。
(少年等の立会及び質問の例外)
第19条 第15条ただし書及び前条の規定は、次の場合には適用しないことができる。
(1) 年齢、心情その他諸般の事情を考慮して支障がないと判断される場合
(2) 立会人をおくことにより真実の供述が得られないと判断される場合
(質問調書の作成)
第20条 調査員は、質問により知り得た事項で火災原因の判定又は立証に必要と認める事項については、質問調書(様式第6号)に録取しなければならない。
2 前項の規定により供述内容を質問調書に録取したときは、これを供述者に閲覧させ又は読み聞かせて誤りのないことを認めたときは、質問調書に供述者の署名及び押印又は指印を求めるものとする。
3 前項の供述者が署名及び押印又は指印を拒否したときは、その旨を質問調書に記載しておかなければならない。
4 少年等に対しては、署名及び押印又は指印を求めてはならない。
(資料の徴収)
第21条 消防長等は、消防対象物の関係者等に資料の提出を求める場合は、原則として任意によるものとし、これにより難い場合は、資料提出命令書(様式第7号)により提出を命ずるものとする。
(資料の保管)
第22条 消防長等は、前条により資料の提出があった場合は、提出者に対し資料保管書(様式第8号)を交付するものとする。ただし、所有権を放棄した場合は、この限りでない。
2 前項に基づく資料には、保管票(様式第9号)を付し、保管品台帳(様式第10号)に記載してこれを保管しなければならない。
(保管品の返還)
第23条 前条第1項に基づく資料を返還する場合は、資料保管書と引換えに行うものとする。
(鑑定の依頼)
第24条 消防長等は保管した資料について、鑑定を必要と認めた場合は、官公署又は学識経験者に鑑定依頼書(様式第11号)により依頼することができる。
2 前項に基づき鑑定を依頼する資料のうち、提出者が所有権を放棄しないものについては、鑑定処分承諾書(様式第12号)により提出者の承諾を得なければならない。
(出火原因の検討)
第25条 調査員は、火災出場時の見分、実況見分、関係者等の供述、鑑定、その他の資料等を総合検討して、科学的に考察を加えて火災原因、延焼経路並びに避難状況及び消防用設備等の活用状況を明らかにしなければならない。
(出火原因の判定)
第26条 調査の結果を調査資料並びにその信ぴょう性によって、次の各号により区分するものとする。
(1) 断定 信ぴょう性の高い各資料を総合することによって、全く疑う余地がなく、その原因が具体的、科学的に確定でき、何らの推理も必要としない場合をいう。
(2) 判定 信ぴょう性の高い各資料を総合することのみによっては、具体的にその原因を判断することができないが、多少の推理を加えることによって、疑う余地がない場合をいう。
(3) 推定 信ぴょう性のある資料によって直接判断することができないが、推理すれば合理的に一応その原因が推測できる場合をいう。
(4) 不明 原因を判定するための資料がない場合又は若干の資料があってもその信ぴょう性が低く、かつ、多少の推理を加えても合理的にその原因を判定することができない場合をいう。
(火災原因判定書の作成)
第27条 調査員は、火災の原因を判定した場合は、火災原因判定書(様式第13号)を作成しなければならない。
第3節 火災損害調査
(り災物件の検査)
第28条 調査員は、関係者等から説明を得て火災により破損され又は破壊された財産の状況を綿密に検査しなければならない。
(り災申告書の提出)
第29条 署長は、調査上必要と認める場合は、り災した消防対象物の関係者に次の各号に掲げるり災申告書の提出を求めるものとする。
(1) 不動産り災申告書(様式第14号)
(2) 動産り災申告書(様式第15号)
(3) 車両、船舶、航空機り災申告書(様式第16号)
(火災損害調査書等の作成)
第30条 調査員は、第28条の検査を行った場合は、火災損害調査書(様式第17号)を作成しなければならない。
2 前条のり災申告書を求めることができない場合又は被害が軽微でその必要がない場合は、前項の調査書に火災損害状況調査書(様式第18号)を作成し添付するものとする。
(死傷者の報告等)
第31条 署長は、現場において死傷者があるとき又はあると認められるときは、速やかに消防長に報告しなければならない。
2 署長は、現場において死者を発見した場合は、所轄警察署長に通報しなければならない。
(死者及び負傷者の調査書の作成)
第32条 調査員は、火災による死傷者があった場合は、写真、図面その他の方法により現場保存に努めるとともに、死者の調査書(様式第19号)又は負傷者の調査書(様式第20号)を作成しなければならない。
第3章 報告等
(調査結果の報告)
第33条 調査員は、調査を終了した場合は、調査の結果を署長に報告しなければならない。
2 署長は、調査結果を火災調査書(様式第21号)により火災覚知の日から起算して10日以内に消防長に報告しなければならない。ただし、調査未了の事項については調査を続け、その結果を追報するものとする。
3 前項の火災調査書には、次の各号に掲げる書類を作成して添付しなければならない。
(1) 火災出場時における見分調書
(2) 実況見分調書
(3) 質問調書
(4) 火災原因判定書
(5) 火災損害状況調査書
(6) 死者の調査書及び負傷者の調査書
(7) その他必要な書類、資料
4 現場を管轄する署長又は消防分署長は、火災の概要を速やかに消防長に報告しなければならない。
(調査書類の省略又は併合)
第34条 前条第3項に規定する書類は、火災の規模、原因及び損害の状況によりその一部を省略し又は併合して作成することができる。
第4章 雑則
(調査書類の保存)
第35条 消防長は、第33条第2項の規定により作成した書類及び関係文書を1件の火災ごとに一括し、原本として保存しておくものとする。
(抄本の送付)
第36条 消防長は、官公署等から第33条第2項の規定により作成した書類について照会があった場合は、その抄本を送付することができる。
(委任)
第37条 この規程の実施については、火災報告取扱要領(昭和43年消防総第393号)によるほか、必要な事項は消防長が別に定める。
附 則
この訓令は、平成8年4月1日から施行する。
附 則(平成17年9月30日訓令甲第20号)
この訓令は、公表の日から施行する。
附 則(平成28年3月25日訓令甲第5号)
この訓令は、平成28年4月1日から施行する。
様式第1号(第11条関係)
様式第2号(第13条関係)
様式第3号(第16条関係)
様式第4号(第16条関係)
様式第5号(第16条関係)
様式第6号(第20条関係)
様式第7号(第21条関係)
様式第8号(第22条関係)
様式第9号(第22条関係)
様式第10号(第22条関係)
様式第11号(第24条関係)
様式第12号(第24条関係)
様式第13号(第27条関係)
様式第14号(第29条関係)

様式第15号(第29条関係)



様式第16号(第29条関係)
様式第17号(第30条関係)(その1)

様式第18号(第30条関係)

様式第19号(第32条関係)
様式第20号(第32条関係)
様式第21号(第33条関係)(表)